「待たせたら悪いだろ。早くしてやれ」
さっき先輩に向けたものとは違い、優しい表情を見せる。
何がどうなっているのかさっぱり分からない。
必死に頭を回転させていると、先輩が玄関の扉を開けた。
「…外で待ってるからな。ゆっくり準備してこい」
そう言って、止める間もなく家を出て行った。
「ほら、早くしないと時間がもったいないぞ」
「あの…どういうこと?先輩と話したの?でもいつ…」
聞きたいことがありすぎて軽くパニック状態。
そんなあたしを見兼ねてか、小さくため息をついたお兄ちゃんはようやく話してくれた。
「…今日、未央がいない時、アイツが来たんだ」
「先輩が?」
「それで…ちゃんと、話し合ったから………だから…」
今にも泣きそうなのをこらえるかのように、お兄ちゃんは笑顔を浮かべた。
「…楽しんでおいで」
思わず目を見開いてお兄ちゃんを見つめる。
「それって……先輩とのこと…認めてくれる、の?」
おそるおそるそう聞くと、少しためらいながらも小さくうなずいてくれた。



