君に染まる(後編)



「先輩…?」


「よぉ」



笑顔を浮かべる先輩に呆然とする。



「あの…どうして…」


「なんとかするって言ったろ?ってことで、お迎えにあがりました」



視線を外さないまま軽くお辞儀をする先輩。



「ほら未央ちゃん、早く準備してらっしゃい。せっかくのデートなんだから」


「???」



状況が理解できないあたしをよそに「未央ちゃんのことお願いしますね」とにっこり笑うお母さん。


そんなお母さんに丁寧にお辞儀をする先輩。




そのままリビングへ戻るお母さんと入れ違いに、お兄ちゃんがリビングから出てきた。



出てきた矢先、目つきが鋭くなったお兄ちゃんの視線の先は当然先輩で…その視線を受けた先輩は少し姿勢を正した。



そんな2人にハラハラしたものの、何かが起こるわけでもなく。

お兄ちゃんがあたしの背中をぽんっと叩いて一言。



「…準備しておいで」

「え?」



一瞬耳を疑った。

けど、聞き間違いではなかったみたい。