君に染まる(後編)



「え?」



「だってさ…
俺に呆れられるかもって、それ、
俺に嫌われたくないってことだろ?
超遠回しだけど、
未央に"好き"って言われてるみてぇだ」



にやっと笑った先輩に
あたしは顔を真っ赤にして否定する。



「ち、ち、ち、違います!!
そんなつもりじゃ…」



「あ゛?俺のこと嫌いなんかよ」



「そ、それも違っ」



「じゃあ何」



ぐっと顔を近づけてきた先輩からは
好きって言え、
というオーラが漂いまくりで…。



だからと言って
そう簡単に言えるはずもなく。



「…ったく、しょうがねぇな」



あわあわするあたしに
先輩の方が先に折れた。



「ごめんなさい………」



体を離す先輩に、
ものすごく小さな声で謝る。



そのままうつむいていると、
目の前に先輩の手のひらがさしだされた。



顔をあげて先輩を見ると、



「帰るぞ。家まで送る」



無表情でそう言われた。