君に染まる(後編)


「未央?」



私の顔を覗き込む楓ちゃんにパッと顔をあげる。



「大丈夫?」

「あ…う、うん。大丈夫」



笑う私に悲しそうな顔をする楓ちゃん。

何か言いたそうだったけれど何も言わず私の頭をそっと撫でた。



「泣きたかったらいつでも言いな?楓さんが抱きしめてあげるから」
「…何それ」


ははっ、と思わず笑う。



悲しいけど、不思議と涙は出ない。


創吾先輩から直接話を聞けるまで、きっと頭の中を整理することなんてできないから。