君に染まる(後編)



表示された名前を目にし、
慌てて携帯を耳にあてる。



「も、もしもしっ」



『おい。どこまで買いに行ってんだ』



「すみません、すぐ戻りますからっ」



『ったく…早く戻って来い』



呆れた声音と共に電話は切られ、
携帯を閉じながらため息をついた。



「…何?創吾?」



「あ…はい」



「なら早く行きなよ。
そんで、さっさと悩み解決しておいで」



「でも…
創吾先輩を前にして話せるかどうか…」



さっきも無理だったし…。



「…鈍いのは嫌いじゃないと思うけど、
あまりうじうじしてたら
本当に呆れられちゃうよ?
ほら、早く行って」



そう言いながらしっしっと
あたしを追い払う。



少し戸惑いながらも、
渋々立ち上がり裏庭をあとにした。



どうしよう…
話の切り出し方が分からないし、
なんて説明すればいいのか…。



そう思いながら
必死に頭を回転させていると、
講堂裏から出たところで
誰かとぶつかった。