「んだよ…結局惚気聞かされただけとか…」
ボソッとつぶやいた高杉は楓を見た。
「…岬。百瀬は、こいつと付き合ってて大丈夫なのか」
「え?あ、まあ、うん。私はまったく問題ないと思うけど」
「そうか…」
そう言って少し目をふせると顔をあげて俺を見やる。
「百瀬のこと絶対傷つけるな。さっきみたいなこと絶対するな。百瀬は…俺たちの大事な友達だから」
高杉の言葉に周りの奴らも何度もうなずいた。
「分かったらもう行けよ。…百瀬が風邪ひく」
「ああ」
最後に「ありがとう」と言葉をつけくわえ畠山の待つ駐車場へと足を向けた。
車まで、と一緒についてきた楓が途中クスッと笑いだした。
「なんだよ」
「いえ。なんだかいつもの獅堂先輩と違うなと思って」
若干バカにされたような言い方だ。
「違いますね」
「何が」
「いつもの獅堂先輩、ってとこ」
「?」
「未央といる時の獅堂先輩が本物なのかな?」
口元をゆるめて意味深な笑みを浮かべる楓はそれ以上何も言葉にしなかった。



