「おーい、だいじょうぶかー?」
店の中から出てきた数人の客。
ぐったりとした様子の女を男2人で支え、その周囲を心配そうに顔を曇らせた男女が取り囲む。
「……未央?」
ぐったりとして、支えられないと立っていられないほどおぼつかない足取りのその女は間違いなく未央だった。
歩み寄る俺に気付いた未央の友達は一瞬ぎょっとした表情を浮かべすぐさま警戒態勢をとる。
中でも露骨だったのはさっきのあの男だった。
「来るな!」
集団の後ろから出てきたその男は睨みながら俺の前に立ちはだかる。
「百瀬のことこんな状態にしといてよく戻ってこれたな」
「…は?」
「は?『は?』ってなんだよ。なんなんだよその態度!」
顔をしかめる俺に機嫌を悪くしたのはその男だけじゃなかった。
「は、反省してないんですか?未央ちゃんのこと傷つけておいて」
「あんたのせいで百瀬がこんな風になったんだろ!謝れよ!」
突然すぎる非難の嵐に意味が分からず楓に視線を送る。
嫌な顔をしつつも観念したように近寄ってきた楓は怒鳴り声が聞こえてくる携帯の通話終了ボタンを押した。



