なんと言えばいいのか…美味いわけでも不味いわけでもないがかじったこの残りの塊をついでに食べてしまおう、と思えない微妙な味…。
いくら未央の手作りっつっても、さすがにこれは…。
「やっぱり…美味しく、ない、ですよね…」
「え?いや……」
「いいんです、何度も味見したんで分かってますから…料理なんてしたことないのにいきなりお菓子なんて作れるわけなかったんです…だからもう…」
「料理したことねぇの?」
「え?あ、はい…小さい頃からお兄ちゃんに危ないからって止められてて…コンロの前に立つのはもちろん、調理器具も持たせてもらえなくて…」
「じゃあ、無理して作らなくても店で買えばよかったじゃねぇか」
「でも!…美紅先輩が、手作りの方が絶対喜ぶって…」
涙目のままうつむいてしまった未央を見て、俺は残りの塊を口の中に放り込んだ。
「…それって、俺の為に頑張ったってこと?」
次の塊へと手を伸ばし、今度は1口で食べてしまう。
残りの数を確認し、黙り込んでしまった未央へ視線を向けた俺は頬を赤らめるその姿を見て生唾を飲み込んだ。
今日はやけに、煽られてる気がしてならない。



