君に染まる(後編)



「…で、店はいつ開くの?」

「お前そうとう疲れてんな…冗談言いたくなるほど鬱陶しかったのか?ファンの奴ら」

「鬱陶しいっていうか…夏芽のこと聞かれた」

「バレてたのかよ」

「だいぶ前にバレてたみたいだよ。ファンの中にうちの病院通ってる奴いるらしくて、俺と夏芽が一緒にいるの見たって」


優の女の夏芽は生まれつき体が弱いらしく、小さい頃から入退院を繰り返してるらしい。

出会ったのも病院だと言っていた。




「別にバレたところで関係ないけど。そっちと違ってこっちのファンは攻撃的じゃないからそういう心配はないし…ただ、面倒くさいだけ」

「まあ…そうだろうな」


相槌を打ちながらふと思い出した。

今でこそファンが未央に向けているのは嫉妬や嫌悪の類だが、付き合い初めの頃は「誰?」「何者?」という疑問の方が多かった。


いちいち返答なんてしてはいなかったが、質問されるたびに「なんでこいつらに説明しないといけないんだ」とばかり思っていた。


優もそうなんだろうと思い優を見やると、目が合った瞬間唐突に聞いてきた。