君に染まる(後編)



『に、苦手な食べ物ってありますか?』


唐突にそう聞かれた。




「…は?」

『…あ………す、すみません突然…』

「いや、別にいいけど……ん?…まさかそれで電話してきたんじゃねぇよな?」



顔をひきつらせながらそう聞くと『そうですけど…?』と疑問形で返された。



数秒前の俺の期待を返してくれ…と、告白する前に振られたような気分になりながら肩を落とす。



「…で?なんで突然そんなことを?」

『あ…実は…お母さんが、その……先輩を家に連れて来たらどうかって言ってて…』

「お母さんが?」

『は、はい!それで、先輩の為にご馳走作るってはりきってて、だから…』

「あー…」



ようやく話が見えた。


…それにしても、話を切り出すまでにえらく時間がかかったな。

話し出してからも歯切れが悪いのは変わらないし…やっぱり何か変だ。



『辛いものは大丈夫ですか?』

「ん?ああ、そこまで辛くなければ普通に食える」

『すっぱいものとか苦いものも?』

「ああ、大丈夫だけど…」



…なんで味覚オンリー?


未央の質問の仕方に少し違和感を感じる。