『に、苦手な食べ物ってありますか?』
唐突にそう聞かれた。
「…は?」
『…あ………す、すみません突然…』
「いや、別にいいけど……ん?…まさかそれで電話してきたんじゃねぇよな?」
顔をひきつらせながらそう聞くと『そうですけど…?』と疑問形で返された。
数秒前の俺の期待を返してくれ…と、告白する前に振られたような気分になりながら肩を落とす。
「…で?なんで突然そんなことを?」
『あ…実は…お母さんが、その……先輩を家に連れて来たらどうかって言ってて…』
「お母さんが?」
『は、はい!それで、先輩の為にご馳走作るってはりきってて、だから…』
「あー…」
ようやく話が見えた。
…それにしても、話を切り出すまでにえらく時間がかかったな。
話し出してからも歯切れが悪いのは変わらないし…やっぱり何か変だ。
『辛いものは大丈夫ですか?』
「ん?ああ、そこまで辛くなければ普通に食える」
『すっぱいものとか苦いものも?』
「ああ、大丈夫だけど…」
…なんで味覚オンリー?
未央の質問の仕方に少し違和感を感じる。



