「…で、なんの用だ?」
『え?』
「だから…電話かけてきた理由。なんの用だったんだって」
『え、えっと…』
別に変なことを聞いたわけじゃない。
着信があったから折り返し、その理由を聞いただけなのに未央は更に動揺しだした。
何か話しづらいことがあるのかもしれないと待ってみたけど「えっと」「あの」「その」を繰り返すばかりで一向に話が見えない。
「…未央?」
催促するように呼びかけても話し出そうとしない。
さすがに苛立ちを覚えてきた時、ある可能性が頭をよぎった。
―――特に用事はなく、俺の声が聞きたくて電話をかけただけ。
未央からそんなことをしてくるなんてただの1度もなかったから思いもしなかったけど、俺たちは恋人なんだ。
あの恥ずかしがり屋の未央が勇気を出してくれたのかもしれない。
けど、いざかけてみると素直にそう言いだせないのかもしれない。
可愛いな…とクスッと笑い、助け船を出そうと口を開きかけた瞬間。



