君に染まる(後編)



未央は、少しでも甘い雰囲気になると必ず拒む。




迫れば顔をそらし、嫌がり、唇を重ねれば俺の体を自分から引き離そうと奮闘する。


毎度毎度とはいかなくても、そういう素振りは必ず見せていた。



けど、唇を離した後のとろんとした瞳に吐き出す甘い吐息。

そして、なんとも言えない表情を見せる未央の態度は本気で嫌がっているようには見えない。


きっといっぱいいっぱいで、照れや緊張から無意識にそういうことをしてしまうんだろう。




正確には、拒むフリといったところか。

だから特に気にしてはいなかった。





けど、最近それは激減した。


拒んだとしても今みたいに本当に一瞬で、まるで拒んではいけないんだと暗示をかけているかのように無理に俺を受け止めようとする。




理由は分かってる。

未央が変わったのはこの間のクリスマスイブからだ。





つまらない嫉妬をし、つまらない意地を張り、つまらないことで自信をなくしそうになっていたあの夜の俺。


きっとその時の俺の異変に気付き、何を感じたのか未央はこんなことになってしまった。




良かったのか悪かったのか、結果的にどっちに転んだのかは分からないが少し罪悪感は残る。


…変に気をつかわせてしまった。