君に染まる(後編)



そんな推測をしながら、とりあえず電話をかけてみた。


けれど、呼び出し音が続くのみで未央の声が聞こえてくることはない。




やっぱり、ここには少し寄っただけなのか。

まだここにいるという望みは薄いが、ベッドルームを出て1階へ向かいながら未央の姿を探した。



1階のソファーで雑誌を読んでいた美紅が俺に気付いて顔をあげる。



「…あ、おはよー創吾」

「ああ。なあ、未央いるか?」

「未央ちゃん?ピアノルームにいるけど」

「ピアノルームって…そこのか?」



視線を向けると、美紅はこくりとうなずいた。



「なんでこんなとこで弾いてんだよ。今日はレッスンのはずだろ?」

「なんか先生の都合でなくなったらしくて、だったらここのピアノ使えば?って、私が。未央ちゃんここのピアノ気に入ってるみたいだし、どうせ誰も弾かないし」



それを聞き、俺は思いっきり顔をしかめた。