先輩があたしの手をとって、無理やり握らせた鍵は

先輩の手によって、少し生温かくなっていた鍵は

あたしの手の上で、外からの光を反射してキラリと光っていた



「…あと、もう少し」

「え…?」

「今はまだ…返せない。でも、もう少し待って」



その言葉でわかった

…あたしの告白


先輩は、あたしの気持ちを受け止めてくれようとしてるんだ



「先輩…」

「ん?」

「昼休みに逢いに行っていいですか?」

「…何のために大事な鍵を渡したと思ってるんだよ」

「あたし遠慮なく行っちゃうよ?」

「いいよ。…毎日でも」