先輩と初めて逢ったのもここだった
2ヵ月と少し前
あたしは彼氏に振られた
「…バカヤロー…」
すごく好きってわけでもなかったけど、離れてしまうとその存在の大きさを感じる
立ち入り禁止の屋上のドアが偶然開いているのを見つけてあたしは1人で泣いていた
「…誰?」
…1人じゃなかった
先客がいたのだ
「…誰?」
「俺が先に聞いたんだけど」
「…佐伯稚早、です」
あたしは泣いてるのに、そのことには全く触れない
「どうしたの?」くらい聞いてよ、と思ったけど…
よく見ると、その人は先輩だっていうことに気付いた