先輩の彼女



額に冷たいもの
それは、だんだん強くなって

先輩は女の人と一緒に急いで…でも、そんなアクシデントも楽しそうに、あたしの横を通って走って行った




先輩の友だちが言っていた言葉を思い出す

大切な人がいて…その人以外は見ていなくて、だから、学校の女の子とは関わらないんだ


…あたしはバカだ

先輩があたしに合鍵をくれたのも
時折見せてくれた先輩の笑顔にも

ドキドキして、期待して

先輩にとっては、何の意味もないことだったのに


雨は激しさを増す
降ってくれてよかった、と今は思うの

涙を隠してくれるから…