あたしは何も言わず
先生の顔を見つめる。
「おうちのことに僕は口出しできないけど・・・、でも何か力になれることがあるかもしれない。どんなことでも、良かったら僕に言ってね。相談相手くらいにはなるだろうと思うから」
「リュウイチ先生・・・、ありがとう・・・」
そんなことを言ってくれたのは
この人だけだった。
あたしはずっと
誰にも何にも
相談なんてしたことない。
パパやママにするのは
許可を得ることだけ。
それも彼らの望むことを
するのが前提だ。
あたしはリュウイチ先生に
いろんなことを話したくなったけど
一度話し出すと
自分が壊れてしまいそうな
怖さがあったから
話を変えることにした。
「そういえば先生、なんでここにいるんですか?まだレクリエーションの最中でしょ?」


