あたしはまたおそるおそる リュウイチ先生の後ろに隠れるようにして 草陰に近づく。 「あっ」 リュウイチ先生が 声を上げるとほぼ同時に 茶色っぽい動物が ぴょこぴょこ跳ねながら 草陰から飛び出してきた。 「キャアッ」 あたしはまたびっくりして 思わず先生の背中に しがみついてしまう。 先生の背中は 見た目よりも とっても広くて すごく心地よかった。 「野うさぎだよ。この先は山だから時々降りてきちゃうんだね」 リュウイチ先生が 背中にしがみついたままのあたしに そう教えてくれた。