あたしとリュウイチ


「先生・・・、あそこに・・・、何か・・・いるんです」





やっと声が出るようになったあたしは



少しだけ冷静になって



庭の草陰の闇を



指差した。











「何かいるって・・・?」










「はい・・・。さっきからずっと物音がして・・・」











「わかった。ちょっと待ってて」










それだけ言って



あたしの両肩を



ぽんと叩いた先生の表情が



とたんに厳しいものに変った。





先生は軒先に置いてあった



サンダルを履いて



物音がしていたあたりを



がさがさとかき分ける。