「一体誰なのっ。いい加減にしてよっ」 あたしは庭の暗闇に向かって そう叫んだ。 そのままどこかへ 行ってしまおうと全速力で 駆け出したあたしは 何も見てなかったから 振り返ったとたんに 思い切り何かに ぶつかってしまった。 「キャッ」 あたしはぶつかった衝撃で 思わず尻もちをついてしまう。 「もう、いや・・・」 あたしの両目から 涙が溢れてきていた。 畳の上に座り込んだあたしが 見上げるとそこに リュウイチ先生がいた。 「どうしたの、大丈夫?」