あたしの声が届いたのかどうか また草陰はしーんとする。 あたしはおそるおそる 立ち上がって窓辺に向かう。 足音をたてないように ゆっくり近づいて いきなり網戸を 開けてみた。 だけどやっぱり 誰もいなくて またしーんと 静まり返っている。 まるで世界が あたしの知らない間に 終わってしまったみたいだった。 一人ぼっちのあたし。 急にあたしの中のどこかから 寂しさとか 怖さとか いろんな感情が 一気にこみ上げてきて あたしは涙ぐんでいた。 ガサガサガサッ また何かが動いた。