でも夕食が終わると
先生たちはレクリエーションの準備で
生徒の質問を受けつけるような
余裕はなさそうだった。
あたしはしょうがなく
昼間の勉強室で一人
問題集を解くことにする。
誰もいない部屋で
一人で勉強するのは
思いもよらず
予想外に
楽しいことだった。
いつもうるさい小塚もいないし
高下さんも他の女の子もいないと
何も考えずに
問題を解くことだけに
全神経を集中できる。
夜だというのに
まだ鳴き続けるセミの声以外は
何も聞こえてこない。
どれくらい時間が経ったのだろう
あたしは薄い問題集の
最後の問題を解き終わって
ふと顔を上げてみた。


