採点が終わった先生は ちらっとあたしの方を見た。 ほんの一瞬だけど リュウイチ先生と あたしの視線が からみ合う。 先に目をそらしたのは 先生だった。 もちろん先生は 他の子たちにも 目を配らなければいけない。 それは先生として 当然のことなんだろうけど あたしには なぜか先生が 意識して あたしから 目をそらしたように 思えた。 「マミ、どうやった?」 いつものように あたしの想いを 邪魔するかのように 小塚が話しかけてくる。 「まあまあ、かな」 あたしはわざと そう言ってみた。