あたしとリュウイチ


採点が終わった先生は



ちらっとあたしの方を見た。





ほんの一瞬だけど



リュウイチ先生と



あたしの視線が



からみ合う。





先に目をそらしたのは



先生だった。





もちろん先生は



他の子たちにも



目を配らなければいけない。





それは先生として



当然のことなんだろうけど



あたしには



なぜか先生が



意識して



あたしから



目をそらしたように



思えた。









「マミ、どうやった?」



いつものように



あたしの想いを



邪魔するかのように



小塚が話しかけてくる。






「まあまあ、かな」



あたしはわざと



そう言ってみた。