リュウイチ先生は あたしの横にやってきて テストを回収して 自分の席に戻っていった。 まだ他には誰も 手を挙げていないから 先生はあたしのテストの 採点を始める。 赤ペンを持って ちょっとだけ眉をしかめた リュウイチ先生の表情も 大人っぽくっていい。 あたしは問題集の予習をしながら ちらちら先生を見る。 先生の手は あたしの答案の上を 滑らかに動いていく。 たぶんかなり良い点なのは もうわかってる。 先生の表情がだんだん 優しくなっていった。