「ほんとに？」
高下さんの顔が
みるみるうちに
明るくなっていく。
「うん、ほんとだよ」
これもいつもの答え。
あの単細胞で
無神経な男子の
一体何がいいのか
あたしには
一生理解できそうもない。
「じゃあ、坂下さんはわたしが小塚君に告白しても全然かまわない？」
またいつもの質問。
「うん。全然かまわないよ」
これもいつもと一緒。
「わかった。ごめんね」
高下さんは
そう言ったけど
あたしには
謝られることなんて
何もない。
それに
これは口が裂けても
言えないけど
たぶん今度も
小塚は断るだろう。
それもいつものこと。
