「小塚と坂下はまた一緒にいるんだね。本当仲良いなあ」



リュウイチ先生は



自分の席から



後ろを振り返って



あたしたちに



そう言った。






「えへへ、そうですねん」



小塚がふざけた調子で答える。









あんたがいっつも



くっついてくるだけでしょ。






あたしはまた心の中だけで



そう反論する。











バスはあたしたちの



住む町を離れ



一時間ほど



ガタゴトと



走っていく。






リュウイチ先生は



ときどき席を立って



みんなに



話しかけて



回っていた。





優しい人なのだと



あらためて



あたしは思う。