『ほら、マミ。言うてみろや』
小塚がまたまたお節介なことを言ってくる。
『言うてみろって何を?』
あたしはもちろん
小塚の言葉の意味を
わかっていたけど
恥ずかしくて
顔から火が出ちゃいそうなくらいだったから
わざとわからないふりをしていた。
『リュウイチ先生って呼ぶことやん。りゅういっつあんでもええぞ』
『ええぞってあんたが決めることじゃないでしょ』
『ええですやんねえ、りゅういっつあん?』
小塚の最後の台詞は
もちろんあたしではなく
木崎先生に向けられたものだ。
『あはは、別にりゅういっつあんでもいいよ』
今度の笑顔は
さっきとはまた少し違う。
もっと子供っぽいというか
男の子っぽいものだった。
あたしはこっちの笑顔を
とても可愛いと感じた。


