『マミ、帰らへんのか』
『あたしちょっと木崎先生に質問あるから』
『お前いつも木崎先生っていうよな』
いつものとおり
余計なお世話だと
あたしは心の中で思う。
『だから何?』
と聞き返したあたしを無視して
小塚はまだ黒板を消していた先生に向かって
まるで予想もしてなかったことを言った。
『りゅういっつぁん、マミが先生のこと名前で呼んでもいいですかって』
小塚は自分だけの呼びかたで
先生に声をかけた。
きょとんとした表情で
木崎先生がこっちを振り返る。
『別にかまわないけど・・・。急にどうしたんだ?』
遠くからだったけど
木崎先生に
まじまじと見つめられて
あたしは思わず
目をふせてしまう。


