その変顔があまりにもおもしろくて
あたしは一瞬吹きだしてしまったけど
すぐにいつものあたしに戻って
『バッカじゃないの』
って言ってやった。
『やっと笑ったやん』
小塚は見ているこっちが恥ずかしくなるくらい
無垢な笑顔でそう言って
ニコニコしながら
あたしを見つめていた。
あたしはなんとなく
気まずくなってしまって
うつむいたまま
何も言わなかった。
小塚はまだあたしを見つめていたけど
ちょうど先生が教室に入ってきたので
その話は自動的にそこで終わりとなった。
『はい、そしたら夏期講習のクラス分け表を配ります。みんな自分がどのクラスなのかちゃんと確認してください』
木崎先生はそう言って
プリントを配り始めた。


