『ああ、俺実はホモやねん』



小塚はあたしと目を合わさずに


そう言った。





『えっ!?』



あたしはドキッとして



思わず声をあげてしまった。





小塚の横顔はとても端整で



ギリシャの彫刻みたいだなと



あたしは思った。





黒いTシャツにジーンズという



なんでもない格好だけど



よく似合っていて



改めて見てみると



学校の女の子たちが



キャーキャー言うのも



少しはわかる気がした。





『うっそぷー』



いきなりあたしの方を向きなおして



思いっきり変顔をしながら



小塚はそう言った。