『ふうん・・・。お前って変ってるよな』
小塚が失礼なことを
堂々と言ってくる。
『あんたにそんなこと言われたくないわよ』
小塚みたいに
他人の心にずかずかと
土足で入ってくる人に
そんな評価をされたくなかったが
この頃にはなんとなく
そんな小塚に慣れてきていた。
どっちにしても塾には
彼しか知り合いがいなかったし
休憩時間はいつも
こんな風にどうでもいいことを
だらだらと話していた。
『あんたこそ変よ。あんなに学校で人気あんのに彼女もいないし、仲いい女の子だっていないんじゃない?』
そう実は小塚は
学年でトップを争うくらいの
モテる男子だった。
遠目で見るときゃしゃに見えるのだが
実は筋肉質でスポーツ万能
それに成績も常に上位のわりに
関西弁だからか
言うこともおもしろかった。


