最低な男?

 そうだな、自覚してる。
 そんな忠告は、初めから俺の中で意味を為さない。

 自分の容姿が、周りにどんな印象を与えるのかも充分心得ている。

 だったら、それを使わない手はないだろ?

 頭脳を武器にする奴もいれば、運動能力を武器にする奴もいる。

 それと何が違うのか。



“人を好きになったことはないの?”



 哀れむようにそう問い掛けた奴も、いたが。

 好き?

 Likeでいうなら、好意を持ってくる女は、全部好きだよ。

 みんな同じ。それ以上にも以下にもならない。



 ……くだらない。

 愛だの恋だの、そんなものに囚われたところで、何になる?

 なんて、少なからずそういった感情を持って近づいてくる女で不自由のない生活をしている俺が、言えた義理じゃないか。





 ―――女なんて皆同じ、そう思っていた。