「わかってくれた?」


「うん、わかった。お母さんがごめんね。」


「まぁ、会えたからいいよ。」





とにかく、ありさに会えるのが待ち遠しかった。





電話でもメールでも、“会いたい”なんてお互い言わなかった。





「はぁー、会いたかった。やっと抱き締められた。」


「私も会いたかった。もう離れたくない。」


「うん、離さないよ。」





肩を寄せればギュッと抱きついてくれる。





いつまでもこうしていたいんだけど、今日はお見合いという事になってるし、こうしてるわけにはいかない。





手を取り、ソッと体を話す。





「宗士……?」


「天宮ありささん。俺と、結婚して下さい。」


「………え?」





口をポカンと開けたありさを抱き寄せる。





「ありさ、俺と結婚して?」


「宗、士?」


「ん?」


「結婚って……本当に?」





震えるありさの声を聞いて口元が緩む。





「本当。ありさしか考えられないんだ。結婚してくれる?」


「……るっ。………宗士と結婚するっ。」


「ははっ、よかった。」