「そこがいいんじゃない!」


「えぇー嫌よ。優しさの欠片もなさそうじゃない。笑った顔なんて見た事ないし。」


「だからよっ!会社ではそうでも、家では違うかもでしょ?特別って思うじゃない。」


「それはそうだけどさ〜、私はやっぱり優しくされたいわ。今日のパーティー誘ってみたら?年上の女の魅力を駆使して誘惑してみたら?案外コロッといっちゃうんじゃない?」


「新名課長も頑張ってみたら?これで親しくなれば色々誘いやすくなるんじゃない?」


「お互い今日は頑張りましょうねっ。」





女って怖いんだと初めて感じた。




製造課の高杉くん。





彼女達の言う通りニコリともしない無表情男。





仕事中は常に眉間の皺が寄ってるらしい。





高杉くんも新名くん同様いい男なのは確かで人気があるのも知っている。





仕事での評判もよくて、同期の中じゃトップの成績。





彼女達の話は嘘じゃないが、高杉くんが少し不憫に思う。





新名くんと高杉くんとは少し話す程度だけど、今日は気を付けるように耳打ちしとこうか……。