適当に選んだ部屋に行き、葛城さんを押し込んだ。





「三井、さん…?」





葛城さんをベッドに押し倒し、ガッチリと手首を掴んでシーツに縫い付ける。





俺を映す瞳は恐怖で揺らいでいる。





「やっ……離してっ。」


「ダメ。」


「三井さん、なんで?」





こっちがなんでって聞きたいぐらいだ。





まだあの男が好きなの?





引きずってんの?





なんで俺を見ないの?





葛城さんの目に溜まった涙がとうとう溢れだした。





「離してよ…三井、さん怖い…。」

「…っ、ごめん。」





怖がらせるつもりなんてなかった。





泣かせるつもりなんてなかった。





―――――――――――…ただ





「……好きなんだ。」


「三井、さん?」


「葛城さんが、好きなんだよっ。」




最初は綺麗な人だと思ってた。





けど、姿を見るたびにいつの間にか目で追っている自分がいた。





ドクンと胸が痛いぐらい高鳴る。




「元カレが忘れられないなら俺が忘れさせる。」





俺の存在を刻み込んでやる。