「不安ですか?」


「いや…そんな事ないけど。」


「大丈夫ですよ?」


「緊張してて…。」


「行ってもいいですか?」


「お願いします。」


「安全運転で行きまっす!」





俺も葛城さんも定時で上がれた為、そのまま食事に行く事にした。




車で来てると言う葛城さんに乗せてもらう事になった。





間近でみるフェラーリ。





光沢を放つ赤いボディー。





今からこれに乗るなんて、恐れ多い。





スーツが汚れてないか気になる。




上質な革張りのシートに体を預け、シートベルトをしたところで車が発進した。





「ミッションなんだ。」


「はい。」





慣れた手つきでギアを動かし、進んで行く。





「この車高いよね。」


「ですね……。高いですよね。」


「葛城さんが自分で買ったわけじゃないよね。」


「あー……まぁ…プレゼントですね。」





なんとも歯切れの悪い返答。





それにしてもプレゼントって……。





プレゼントがこの高級車?





彼氏がどっかの御曹司だったとか?