天宮をそのまま名乗ると、また“お嬢様”と言われるかもしれないから葛城を名乗る事にした。





年相応に見えるように、ピシッとしたスーツを着て少しキツめの香水を纏って、化粧もケバいくらい施して髪も綺麗に纏めた。





少しでも役に立ちたいから、学校でも情報処理科に転科して簿記も電卓も情報処理もビジネスも検定を受けて資格を取った。





幸くんやチカくんにも仕事の事を教えてもらった。





でも、私の考えは甘かったんだと思い知らされた。





いくら勉強しても資格取ってもそれは当たり前でそれ以上の能力が必要だった。





一分一秒もムダに出来ないものだった。





けど、学校では味わえない達成感を感じる事が出来る。





何十枚といった書類を期限までにすべて揃えなければならない。





1人の小さなミスが会社を揺るがす事だってある。





本当に私は、ぬくぬくと苦労もせず贅沢に生きてきたんだと思った。