眉を下げ、軽く頭を下げる貴久くんに陽介は気にしてない様子。





カツカツとヒールを慣らし近づいて来たのは女性。





わざわざ顔を見るのは失礼だと思い、耳を澄ませることにした。





バンッとテーブルが叩かれ、グラスの中の液体が揺れる。





「いつもの。」


「はいはい。兄貴、連れて来たの?」


「違う、拾った。」


「随分と機嫌が悪いんだね。」


「お前に電話した後充電は切れるわ、コイツ拾うわ、仕事より疲れる。」


「さっさと手ぇ動かしてくれる?」




両者とも明らかに不機嫌な声だった。





「陽介すまないな。会社の人か?」

「ああ、宗士。」


「煩くてすいません。」


「いえ……!」





横を見ると顔が整ってる男性、俗にイケメンと言われる人と………




「葛城さんっ!?」





葛城さんが座っていた。





「三井さん!?」





葛城さんも今気づいたらしく声を上げる。





俺と葛城さん以外は驚いた表情を浮かべていた。





「知り合い?」


「同じ会社の人。」





葛城さんの隣に座るイケメンが陽介の同僚のチカだった。