求愛ラバーズ

笑いを含み、可笑しそうに言う陽介。





「彼氏に浮気されるんだから、その葛城さんとやらは大した容姿じゃないな。」





ここでムキになって言い返したらからかわれるな…。





葛城さんを見た事ないから、そう言えるんだよ。





実際見たら、あまりの綺麗さに絶句もんだぞ。





それから仕事の話や陽介の女の話に付き合わされ、お開きかと思いきや後一件バーに行こうと言ってきた。





素早く会計を済ませ、歩き出した陽介を追いかけるしかなかった。




「会社の奴の弟の店なんだけどさ、いい雰囲気のバーなんだよ。」




居酒屋からはさほど遠くないところにバーがあった。





店の扉を明けると薄暗い店内にはオレンジの灯がついている。





ジャズが流れ、店内は広く落ち着いた感じだった。





「よっ、貴久。」


「陽介さん。友達も連れて来てくれたんすね。こっちに座って下さい。」





カウンター席に促され、陽介と2人で座る。





テーブルの方にも斑に客が座っていた。





「兄貴ももう少しで来ますよ。」


「アイツ機嫌悪かったろ?」