今握っている手は今日も変わらず華奢で滑々で可愛らしい。

すでにこの手を握っていることは、普通なことで。

握っていることで何かを感じるということは無くなった。


初めのころは、部活帰りの汗臭い手を差し出すのは抵抗があった。

お世辞にも進んで握りたいとは思えないだろう。


嫌われはしないか?軽い恐怖だった。


それが今は、こうして手を繋いでいることが普通だ。

どこを堺に特別から普通になったのかはわからない。