小さい頃からよく不思議な体験をしていた。なにかしら事故に合い死んだと思ったのに次に目を開けた時には、数分前、または数日前に戻っているのだ。こんな話は誰も信じてくれ無いだろうから話したことはないのだがでもどうしてなのか気にならない日は無かった。酷い時には毎日、一日に数回なんてのもあり不気味に感じており最近なんかは小刻みに何度も何度も一日に時間が戻っている。


「(また・・・)」


腕時計を確認すれば、さっき見た時間より36分前に戻っていた。確かに私はさっきトラックに引かれ血だらけでコンクリートに寝転がっていたというのに。慣れというものは恐ろしいものでパニックよりも疑問が思考を占める。もう一度食べるはめになったアイスクリームを口に含み、さっきとは違う道を歩いた。なんだか、さっきの道を行くのは不気味だったし、あんな痛い思いをまたするかもしれないと考えたら当然の選択だったと思う。


「千明(ちあき)!」
「あ」