まだしつこいぐらいにドキドキする心臓はどうしようもなかった。どれだけ感情をコントロールするのがうまいからといって心臓の脈をコントロールすることなど不可能。髪で頬を隠し俯いた。良かった、今日は髪をおろしていて。ああ、本当に良かった。ほっとするのも束の間次の授業を思いだし走るはめになってしまった。たまにはこういうのも良いかなんて思ってしまった自分は本当に蒼衣に毒されている。

でもそんな自分も悪くないのかもしれない。