「例えば、千明が買い物に行くとする。無事に帰ってくる世界、または最初から行かない世界がまずあげられるんだ。だけど千明はそれに加えて、買い物に行って事故に合い死亡する世界、最初から行かないで家にいるが空き巣が入りたまたま顔を見てしまい殺される世界ってのが存在する。千明は、死亡率が高い」
「普通の人じゃないってわけ」
「千明は"死"を引き寄せやすいんだ・・・」


びゅうと冷たい風が頬を撫でる。蒼衣は寒いのか私にぴったりとくっつき話しを続けた。哀しそうにまた顔を歪めると、私の頭に手を乗せ優しく胸に引き寄せた。柔らかい蒼衣自信の香りと外の匂いが鼻腔をくすぐる。


「もう、何十回と千明が死ぬとこを見てきたよ。その度に時間戻してた・・・」


そっと呟かれた言葉は謎を解くのに十分だった。