聞いても引くなよ、と釘を刺し蒼衣は話し始めた。雰囲気に呑まれ私も真剣に耳を傾ける。


「俺は時間を戻せる。好きなだけいつにでも」

「タイムリープ、だっけ」
「そんな感じ」


で、と話を催促する。今まで不思議に思っていたいつの間にか時間が戻ってるあの謎が今解ける気がしたのだ。


「パラレルワールドってのは分かるよな。簡単に言えば、今俺がこの話をしているけど、していない世界もあるっていうやつ。沢山分岐点があるんだ。その中にはもちろん"死ぬ"という世界がある。一つ選択肢を間違えば向かうは"死"だ。普通選択肢の中に"死"に進む世界は一つ在るか無いかぐらいの確率なんだけど、お前の場合確率が高い」


指を四本出し、人指し指を折り曲げてみせる。