桔梗の場合。

「そっか。良かった。
それにしても早いな。
桔梗がこの家に居候しだして、もう4ヵ月経つんだな。
今年の三月に越して来てから。」

そう、今あたしはお兄ちゃんの実家に居候させてもらってる。

あたしの家より此処の方が大学にも事務所にも近いから。

おじ様はあたしが此処に住む事を二つ返事でOKしてくれた。

―――――

「兄さん、桔梗ちゃんも。
一体どうしたんです?
来るなら連絡入れてくれればこちらだって色々準備したのに。
君、お茶と茶菓子の用意をしてくれ。
後で私の部屋へ。」

「はい。かしこまりました。」

「まぁ、立ち話もなんだから、私の部屋へ。
どうぞ、上がって。」

「失礼。」

「…お邪魔します。」

あたし達は、おじ様の部屋へと通された。

相変わらず広くて綺麗なお屋敷。

その中でもおじ様の部屋は一番綺麗で、大広間に次ぐ広さだ。

「失礼します。お茶の御用意が出来ました。」

「あぁ、ありがとう。」

「失礼致します。」

「で?用は何です?」