桔梗の場合。

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だからなのかも。

あたしがいつまでもお兄ちゃんを諦められないのは。

高校のときは毎日学校で顔を合わせてた。

そして今は一緒に住んでる。

離れれば少しは想いも薄れていくのかもしれない。

だけど、4年間あたしはこの家にいる。

あたしが初恋を終わらせられる日なんて、くるのかな。

「桔梗?ぼーっとしてどした?
具合でも悪い?」

「ううん。全然。」

「そう?でも知らないうちに疲れてるのかもしれないな。
甘いものでも食べる?」

「えっ?あるの?」

「あぁ。今とって来るから、ちょっと待ってて。」

お兄ちゃんはケーキ屋の箱を持ってきた。

「いつも頑張ってる桔梗に俺からご褒美。
シュークリーム、好きだろ?」

きゅうん

お兄ちゃんから?

あたしが好きなの、覚えててくれたんだ。

そんな些細なことが、すごく嬉しい。

「うん、好き。ありがとう。」

「いえいえ。」

………好き。

諦めるなんて、出来ない。

だって、こんなにも好き。

大好き……。