蝶と龍


この車は夜衣の家の車だらか車内は夜衣が好きなトランスが流れている


今日はいつもより音量は小さい

たぶん陽那斗が乗っているからだろう


陽那斗は車に乗ってから窓から外を見ている


『ね~奈央。今日も奈央と居たい』


今まで陽那斗が俺に何かを求めてきたことはなかった


『ダメかな』

陽那斗は視線を窓から俺に変える


「俺んちとお前んちどっちがいい」


ダメだと思っていたらしい陽那斗は一瞬驚いたような顔をしたがすぐに笑顔になった

『奈央んち』

「わかった。」

俺達の会話を聞いていた運転手は俺んちの方向に切り替えようとした


「千夏さんちでいい」

『分かりました』

運転手は車線を元に戻す