蝶と龍


『ごめん。奈央行こ』

準備中を終えた陽那斗の声に俺は腰を上げた


『じゃぁな奈央。陽那斗~さすが俺の娘だ~大事にしてもらえよ~』

『やめて』

陽那斗に抱きつく千夏さん
そのまま玄関に行く2人を後ろから見てるけど…千夏さんが変態に見える
陽那斗は嫌そうにしながら千夏さんをあしらいながら靴を履く


「千夏さんまた」

俺は千夏さんに頭を下げ陽那斗の手を取り玄関を開けた


そこには俺のバイクに跨る徹さんの姿が


『よ~奈央』

今日は朝から疲れる

徹さんに近寄り陽那斗を後ろに乗せて徹さんを引きずり降ろす


『もっと丁寧に扱ってくれよ~』

じゃれついてくる徹さんをスルーしてバイクにエンジンをかける


『奈央…陽那をよろしく』

「あぁ」

陽那斗お前は愛されてんな
これからは俺が愛してやるよ