「俺とキスしてみない?」

「彼女さんは、
 どうしたの?
 他の女と一緒だなんて
 彼女さん悲しむし、
 あたしのせいで
 別れるなんて、やだよ?」

まだ、夢の中をさまよっているのか、茫洋とした声音で、りんごは言葉を紡ぐ。

「彼女なんて居ないけど?」

俺は、りんごの耳元に唇を寄せて、囁く。

とろけるような、笑顔付きで。