「俺とキスしてみない?」

「りんご」

口にするたびに、何だかくすぐったくなる。

りんごとした、キスみたいだ。

甘くて、いいにおいがして。


「カイト君ッッ……」

眠りながら涙を浮かべて、今度は、はっきり俺の名前を呼んだ。

「りんご!」

答えるように、俺はりんごの名前を呼ぶ。